世界一周!で漏らしてみるでタグ「Kenya」が付けられているもの

2009年3月3日のブログです

 207日目        
 宿泊:

  New Kenya Lodge ④(ナイロビ)

   
 移動:   移動なし      

 


世界一周ケニア旅行_48
【帰ってきたら宿の壁がペイントされていた】
 

マサイ・マラのサファリツアーからナイロビに帰ってきた。現地ツアーは個人で訪れるには時間や労力のかかる見どころを効率良くまわってくれるため場合によっては非常に重宝するが、他の旅行者との集団行動を余儀なくされるので、この自由な旅においてその不自由な時間は際立って窮屈に感じられ疲れる。ツアーに参加してまで見に行きたい観光地は大概は誰もが知る有名どころであり、その地のメインにもなるような魅力的な場所ではあるのだが、それ故に「ここは必ず観光しなければ」という義務感が生じ、この窮屈な感じと相まって更に億劫に感じてしまう。
 

今回もツアーは楽しめたものの思った通りぐったりと疲れ、慣れた宿に戻ったときには大きな安堵を覚えた。好きでこんな旅をしながらおかしな話ではあるが、私の場合はこうした有名どころに近づくときには徐々に旅のテンションが下がり、終えると同時に今度は一気に上がっていくことが多い。



世界一周ケニア旅行_49
【派手なダラダラ(ミニバス)】
 

行きたくなければ単に行かなければ良いだけの話なのだが、別に行きたくないわけではなく、むしろ行きたいと思っているのがまた厄介である。有名なのにはそれなりの理由があるわけで、こうした人気の観光地の思い出は後々良いものとして思い返されることが多いとわかっているのだから、いつもとは違った楽しみに目を向けもっとポジティブに挑もうとは思うのだが気持ちのコントロールが難しい。要はただ不精なだけなのかもしれないが、とにかくツアー前は気が重くなり、終えるのと同時に解放感から旅への意欲がぐんと増す。




世界一周ケニア旅行_50
【街中にあった看板】


そんなわけでサファリツアーを終えた後は、格別の自由を感じて気持ち良く過ごしたわけだった。気の赴くまま街を散策したり買い物を楽しんだと、のんびりとした穏やかな時間が流れていたのをよく覚えている。思えばアフリカ大陸上陸からここまでの14日間は、過酷なエチオピアの旅トラックの荷台に乗っての国境越えなど肉体的な負担の大きいイベントが多かった。そして前日までの大移動から休みなく参加した3日間のサファリツアー、これは疲れないわけがない。素晴らしい思い出もたくさんあったのだが、このさき何十年たとうとも、この2週間で通ってきた道を再びなぞるような気は絶対に起きないと断言できるくらい疲れきっていた。いつも以上にこの自由を心地よく感じていたのには、ツアー後の解放感に加えて一連の大移動を終えた後の心身の緩みも関係していたことは間違いないと思う。




世界一周ケニア旅行_51
【防犯のため商店の入口やカウンターにはこのような檻がついている】

 

とにかくサファリツアーの後の気分の良さはとても印象に残っている。きっと傍から見たら何が起きても不思議ではないくらいふわふわしていたのだと思う。翌日の事件の発生も、こうして振り返ってみると納得できるような気がしてくる。



世界一周ケニア旅行_52
【呆然と夜の街を眺める】
 

良い気分で過ごしていた分、落差も大きかった。奈落の底に落ちるというのは、きっとこんな感覚なのだろう。これまでの人生で、ここまではっきりと全身の血の気が引くのを感じたことはなかった。

 

 

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盗難によって写真のデータを失い、エチオピアとケニアを飛ばしてブログを更新していました。この記事をもってその隙間が埋まりましたので、ブラジルの後に訪れた二度目のチリ滞在(339日目)に戻ります。

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2009年3月2日のブログです

 206日目        
 宿泊:

  New Kenya Lodge ③(ナイロビ)

   
 移動:   マサイ・マラ      
     ↓      
    ナイロビ      

 

サファリツアー1日目の日記で、もっとも印象的であった動物はシマウマと書いた。それは3日間の行程を終えた今も変わらない。あの美しさは強烈に印象に残っている。人気のビッグ5(ゾウ、ライオン、サイ、ヒョウ、バッファロー)やキリンなどを抑え、シマウマがナンバー1になるとはここに来るまで想像もしなかったが、あらためてツアーを振り返ってみると、トップだけでなく2番目にランクされたのも意外な動物だった。




世界一周ケニア43
【小さい動物もかわいかった】



 それはインパラ。鹿のようなかわいらしい見た目のウシ科の動物である。インパラのハーレムは、1頭の雄に10-20頭の雌がつくというなかなかの大所帯だった。雌雄の比率を考えると、その競争率の高さがうかがえる。インパラの雄は雌にはない長い角を持っているため、少し遠目でも、どの個体がハーレムの主なのかが分かる。小柄なインパラの群れの中にそびえるその角は、ハーレムの中では頼もしさを、また草原においては勝者の強さ、貫禄を感じさせる象徴のように見えた。

 インパラの生態ついてのガイドの説明はとても印象的で、ビッグ5よりもこちらのほうが記憶に残っている。




世界一周ケニア44
【角が立派】
 

インパラについて知ってからは他にもハーレムがないかと自然に探すようになっていたのだが、間もなく妙なものを見つけた。インパラの群れのようなのだが何かおかしい。別の動物の群れかと思いガイドに聞いてみるも、これも同じインパラだという。


世界一周ケニア45
【キリンの角が好き】



どうやらこれは雄だけの群れらしい。競争に敗れた雄たちは、雄だけのグループを形成するという。しかも、ハーレムのすぐ近くに。群れをつくって身を守りながら、ハーレムを奪う機をうかがっているのだと説明してくれた。そのためインパラのハーレムの近くには、このような雄だけの群れが見られるという。
 

初めてハーレムを見たときも、生存競争の厳しいマサイ・マラで、これだけの数の雌の信頼を一身に背負う雄の気苦労は如何ばかりのものだろうと情けない心配をしてしまったのだが、すぐ近くにその座を狙うものたちが徒党を組んで潜んでいると聞き、何やら同情に近いものを感じてしまった。

 


世界一周ケニア46
【凛々しい】 
 

人間社会でも似たような競争の構図は数多く存在している。いざ自分がそうした場に置かれれば、本能から他者に勝つことを考えるのだろうが、果たしてその勝利が本当に自分に利益をもたらすのだろうか。こうした争いを一歩引いた位置から冷静に見てみると、単に他人に勝つというだけでは本当の勝者にはなれないのだろうということがよく分かる。

人間はもちろん、人間社会も動物とは比較にならないほど複雑なはずである。にも関わらず、競争について言えば、少し単純すぎるように感じることがある。なぜこれだけ多くの人が当たり前のように同じ方向に向かって競争をしているのか不思議でならない。(競争自体に魅力があると言えばそれまでだが)

 

世界一周ケニア47
【貴重な日陰】 
 

インパラだって、種の保存よりも生存を優先するのであれば、雄の群れの中に身を隠していたほうが良さそうな気もする。どっちが良いんだろう、なんてことを考えながら、帰国後の自分の姿を想像したが、どちらを選んでもつまらないような気がしてほっとした。

 

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2009年3月1日のブログです

 205日目        
 宿泊:

  マサイマラ国立保護区②

   
 移動:   なし      

 



世界一周ケニア38
【雄同士の争い】

 

動物園に行くと、大人はこう言う。
「せまい檻に閉じ込められてかわいそうに」

自然の中で野生の動物を見て、大人はこう言う。
「生き生きしていて素晴らしい」



世界一周ケニア39
【雌のライオン】


社会を知った大人は若者にこう言う。
「安定した大きな組織に入れるよう頑張りなさい」

何にも属さず、自由に生きている若者を見る大人はこう言う。
「だらしがない」



世界一周ケニア40
【ライオン】
 

動物愛護団体の人間が、自分が自然に放った動物が直後に命を落とす瞬間を目にしたとき、どんな顔をするのか見てみたい。

 


世界一周ケニア41
【バッファロー】
 

自身にも周囲にも、権力と先例に倣うことを強いてきた人間が、死ぬ間際に何を考えるのか聞いてみたい。




世界一周ケニア42
【雲が大きい】
 

いろいろな辛さがあるけど、何よりも不憫なのは、自由を奪われて窮屈に生きることでもなく、厳しい競争にさらされ苦しみながら生きることでもなく、矛盾に無自覚に生きることなのだろうと思った。

 

 

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2009年2月28日のブログです

 204日目        
 宿泊:

  マサイマラ国立保護区①

   
 移動:   ナイロビ      
     ↓ シャトルバス(6時間)    
    マサイマラ      




世界一周ケニア23
【シマウマ発見!】

よく知っていたはずなのに、なぜ今までこの美しさに気がつかなかったのか不思議でならない。マサイマラでたくさんの野生動物を見た。その中で、もっとも感動させられたのはシマウマだった。果たして自分の美的感覚にはどれだけの独自性があるのだろう。26年生きてきて、初めてシマウマの美しさを知ったという事実に困惑した。

単純に、世間一般では(少なくとも自分の周りでは)特別美しいものとして扱われていなかったことが原因だったのだろうと思う。特に無形なものに対する美的な感覚とそれを具現化していく行動力が、満足のいく生き方をするための鍵となるのだろうと考えているが、このごく内面的な価値観が容易に環境に左右されてしまう不安定なものなのかと思うと、個人としての危うさを感じて少し寂しくなる。

難しいことだと思うが、美的な価値観くらいは自分らしいものを持ち続けていたい。そのために重要なのが、自分の目で意識して見るということなのだと思う。見ているようで見えていないものが、身近なところにもまだたくさんあるのだと思う。


 



世界一周ケニア24
【親子】 




世界一周ケニア25
【自然の景色の中で見るこの不自然な色がまた良かったのかもしれない】




世界一周ケニア26
【これはグラントシマウマという種らしい】 




世界一周ケニア27
【子供の毛はまだ茶色い】 




世界一周ケニア28
【なんという美しさ!】 




世界一周ケニア29
【見た目は馬というよりロバだね】 




世界一周ケニア30
【けっこうごついな】 




世界一周ケニア31
【脚の模様も良い】 




世界一周ケニア32
【この写真が気に入っている】 




世界一周ケニア33
【子供の頃こういうアイスをよく食べたな】 

 



世界一周ケニア34
【たてがみも白黒】 




世界一周ケニア35
【この派手な縞模様が草原では目立ちにくいというからおもしろい】 




世界一周ケニア36
【正面から】 




世界一周ケニア37
【肉食の動物に襲われたのか怪我をしている】 
 
 
おもしろいことに、世界一周中にはこうした身近な何かに気付かされることが多い。私は外への強い好奇心から出発を決めたのだが、旅行を通じてここまで内的な見返りが得られるとは思わなかった。人や社会と距離を置いて自分の世界に入り込むのも、ときには大切なのだろうと思う。帰国してからも、たまには一人で、どこかに行こうと思った。
 

 

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2009年2月27日のブログです

 203日目        
 宿泊:

  New Kenya Lodge ②(ナイロビ

   
 移動:   なし      
         





世界一周ケニア16
【ナイロビで有名な古着市 ギコンバマーケット】

 

この日訪れたギコンバマーケットは、ナイロビにある巨大な古着市である。マーケット自体の大きさで言えばアディスアベバ(エチオピア)のマルカートなど、より大規模なものもあるかもしれないが、古着専門のマーケットとしてはここが東アフリカ最大と思われる。その巨大さゆえか住み分けも進んでおり、シャツ、パンツ、帽子、靴、下着など、それぞれの製品をメインに扱うお店が存在する。中にもぬいぐるみのお店まであった。それらは大まかではあるもののカテゴリーごとのエリアに分かれてるため、買い物するにはとても便利であった。




世界一周ケニア17
【掘り出し物も見つかる】





世界一周ケニア18
【この帽子、小学生の頃持ってたな。懐かしい。】

 

この旅行中にヨルダンのアンマンボリビアのエル・アルトなどでも大きな古着市を見てきたが、売られている古着の種類は日本の古着屋で売られているものと大差ない。ギコンバマーケットの古着も同じく、大半はアメリカから流れてきたもののようであった。中には、日本では高額のプレミアがつくジーンズや靴が埋もれていることもあり、宝探し気分で買い物を楽しむ旅行者も多い。
 

 こうした古着の流通経路は、大きく分けて二通りあると言われている。一つは卸業による輸入、もう一つは先進国からの援助物資の横流しである。おそらくギコンバマーケットの商品のほとんどが後者に属するものだと思われる。こうした先進国からの援助物資がこれだけの規模のマーケットをつくっていることにとても興味を惹かれた。



世界一周ケニア19
【こっちは靴屋】

 

山のように積まれた大量の物資(古着)を見て、2つのことを思った。

 

1. 衣服は援助物資として必要なのか

衣服が不足しているのはアフリカのどの国のどこなのか。そもそも人々本当には洋服を必要としているのか。先進国と同じような衣服を着る習慣・文化がない地域もあるだろうし、もし不足している場所があったとしても、そうした過酷な状況下でより優先して求められるのは衣服ではなく食べ物であることは想像に難くない。洗濯もどこでもできるものではない。資源としての水の価値を侮ってはいけない。世界の貧困地域の多くは乾燥地帯である。このような不正な流通も、需要の少なさに拠るものなのではないかとさえ考えてしまう。

物資としての価値がどれほどあるのか気になったというのが一つ目。これだけであれば、欲しい考える人が必要に応じて受け取れば良いのでそれほど気にならなかったのかもしれない。重要なのは次の二つ目。




世界一周ケニア20
【これは使用済み中古下着屋】

 
 

2. 地元の繊維産業はどうなるのか

衣服が物資的な価値を持つ地域、つまり表面的に援助が成り立つ地域には、その需要に応じる地元の産業があるはずである。そこにタダ同然の大量の衣服が流れてきたらどうなるのだろうか。品質、生産コスト、どちらもまず勝ち目がない。

生命を脅かすほどの貧困から脱した後に、ようやく生まれてくる高次の欲求の一つが物欲であるのだと思う。その物欲とともに生まれる需要、そこには産業の発展の可能性があるはずだ。地場に産業が根付くことで経済的な自立も期待できるはずである。その芽を「貧しい途上国のために」という扶助の精神により摘んでしまうのは、なんという皮肉だろうか。

もちろんこのマーケットの店主たちのように、この古着によって生計を立てられるようになる人たちもいることはわかってはいるが、これはあくまで「援助」によって成り立っているものである。「援助」の要素として、持続性と発展性は、その価値を計るうえで大きな指標となるべきだと考えている。




世界一周ケニア21
【ぬいぐるみも売っていた】

 

 

そんなことを考えているうちに、山のように積まれた古着たちが、だんだんとゴミの山のように感じられてきてしまった。最近では海外のこうした古着市にユニクロ等の日本メーカー製の衣服も並ぶようになってきている。

「先進国でいらなくなった服も役になっているんだね」と、嬉しそうに語る旅行者が多かったことが、とても印象に残っている。





世界一周ケニア22
【外れの方に行くと少し雰囲気が変わってくるので注意】

 

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2009年2月26日のブログです

 202日目        
 宿泊:

  New Kenya Lodge ①(ナイロビ

   
 移動:  6:00  /  イシオロ    
      ↓ バス(5時間45分)    
  11:45 /  ナイロビ    

 

治安の悪さで有名なナイロビの中でも最も危険であり、旅行者が絶対に足を踏み入れてはいけない場所とされているのがダウンタウンだ。ハードだったエチオピアを抜けた後の休息と、マサイマラのサファリツアー参加のためにナイロビにはしばらく滞在する予定ではあったが、悪名高い現地の治安が心配で、到着前からだいぶ気が重くなっていた。怖いもの見たさというのも確かにあるが、満たされる好奇心と危険、否、好奇心と命を秤にかければその瞬間に結論は出る。「ダウンタウンには決して近づかない」。犯罪に巻き込まれる危険性を少しでも下げるために、たとえ魅力的な観光地が周辺にあったとしてもそこには近寄らないと、ブラックアフリカに入ってから高止まりしている警戒心をさらに高めてそう誓った。

 

 

世界一周ケニア6
【景色が変わってきた】

 


30時間を超えるローリー移動で体はボロボロになっていたが、ナイロビが近づくにつれ高まる緊張感により頭はさえていた。集中力も申し分ない。到着直後の全荷物を持った姿はまさにネギを背負ったカモ状態であり、そのうえ荷物の重量(計30kgほど)によって機動力まで奪われており危険な条件が揃ってはいるが、今のコンディションであれば宿まで無事に辿り着くのはそう難しくないように感じた。バスがナイロビに到着次第、安全を重視した最速の方法で宿に向かう。お金にも糸目は付けない。タクシーが利用できそうであれば迷わずそれを使う。道路に商業的な看板が増えてきたことから、東アフリカ最大の都市であるナイロビが近づいてきたことを感じた。そろそろか。事前に確認していた宿の住所のメモを握りしめながらそのときを待った。

 



世界一周ケニア7
【都会的な雰囲気を感じるようになってきた】

 

そしてついにナイロビに到着した。



世界一周ケニア9
【ここがナイロビか・・・(バスの窓からの写真)】





世界一周ケニア10
【ナイロビね・・・】





世界一周ケニア11
【ナイロビか・・・・】





世界一周ケニア12
【ナイロビ・・・?】




世界一周ケニア13
【ナイロ・・・】





世界一周ケニア14
【これ、ダウンタウンじゃねえか!!!】

 

 

案の定、バスはダウンタウンで完全に停車してしまった。どうしたら良いものかと車内で逡巡するも、運転手に荷物を放り出され、心の準備ができないまま泣く泣く外に出るはめになった。こんなところに荷物をもったまま突っ立っていたら間違いなくやられてしまう。どこかに逃げ込まねばと焦りながら考えていると、目に入った食堂の入り口に人の良さそうなおばちゃんの姿が見えたので、荷物を持ってそこに飛びこんだ。


見た目通りおばちゃんは良い人だった。 

「ここに来てはダメよ!危ないから中に入ってなさい。外のタクシーはやめたほうが良いわ。今、信用できる運転手を呼んであげるからちょっと待ってなさい。」

と、知り合いのタクシー運転手を電話で呼び出してくれた(外にもタクシーは停まっていた)。タクシーは頼んだ通りまっすぐに宿に向かってくれた。親切なこのおばちゃんのおかげで、無事に宿までたどり着くことができたのだった。降ろされた場所の近くにこうしたお店がなかったらと思うとゾッとする。




世界一周ケニア15
【通りに人が転がっていた(真ん中辺り)。死んでいるのかと思ったけど少し動いたので安心した。】

 

かくしてナイロビ滞在は「決して近寄らない」と決めていたダウンタウンから始まることになってしまった。予想外のストレートなオープニングパンチに面食らったが、さらに警戒心を高める良いきっかけとなったような気もする。なにはともあれ、無事に目的地までたどり着けて良かった。宿の玄関の鉄格子を閉めて、ほっと胸をなでおろした。

(残念ながらナイロビ滞在の終盤には、世界一周旅行における最大の危機に見舞われてしまったが、幸い体が無事であったのはこうした危険信号があったからだと都合よく解釈しよう)

 

 

--追記--

翌日、ローリーで砂だらけになったバックパックを洗おうと荷物を出しているとき、サイドのポケット突っ込んだ手の先に妙な感触があった。何か普段と違うものを入れたっけなと中身を全て引っ張りだすと、ものすごいものが出てきて声を上げてしまった。

 

世界一周ケニア旅行 
【お守りと一緒になんか出てきたぞ?ん?これは・・・】



 

世界一周ケニア旅行 
【サソリじゃないの!!!!】

 

つぶれて死んでいてくれて助かった。たぶんあの移動中に入ったんだろうな。ローリー、おそるべし。




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2009年2月25日のブログです

 201日目        
 宿泊:

  名称不明(イシオロ

   
 移動:  前日9:30  /  モヤレ    
      ↓ ローリー(32時間)    
  17:30 /  イシオロ    

 




【ローリーの荷台 始めのうちは快適だった】





【ガタガタ進む】





【徐々に人が増えていき、最終的には身動きがとれない状態になってしまった】

 


「ローリーの旅がどんなものだったかは次の日記に・・」などと前日の記事に書いたものの、こういうものは写真や動画を写真を見たほうがわかりやすそうなので、上の動画と写真ページを見てみてください。




 

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この移動中、賄賂を要求する役人たちと何度も遭遇した。彼らはローリーを止めて荷台に乗り込み乗客を見回す。その中から目ぼしい者を見つけると敷き詰められた乗客の間を割っていき、おそらくはパスポートと思われる身分証明書の提示を迫った後に現金を巻き上げる。これまでの経験上、こうしたシチュエーションでは日本人である自分がまっ先に狙われるのだが、意外なことにこの区間では一度も賄賂を要求されることがなかった。

これは一度や二度のことではない。頻繁にあった検問において例外なく全ての役人が同じ行動をとった。これはなかなか興味深いことだった。ターゲットは先進国からの旅行者ではなく人、出稼ぎを目的とした不法入国者(エチオピア人)だった。言い換えれば「持っている者」ではなく「搾取しやすい者」だったわけだ。

 



世界一周ケニア01
【武装強盗が出没するエリアでは銃を持った服警官が同乗してくれる】

 

 

 

彼らが不法入国者を狙う理由は大きく2つあるのではないかと考えた。

1. 成功率が高いこと
2. 罪悪感をあまり感じずにすむこと

 

ここまで来たら後戻りはできない。先に法を犯し完全に弱い立場にある不法入国者は要求に応じるしかなく、役人たちは高い確率で金銭を巻き上げることができる。立場が明確であるため話が早い。小さな労力で簡単に賄賂を手にすることができる。これが1。次に2。賄賂を要求するような腐ったところのある人間でもどこかに良心があり、「部分的にではあるが」正義をもって行為に及べることが、長く賄賂要求の活動を続けていくうえでは意外と大きい要素なのではないかと考えた。総合してみると、成功すれば大きな金額を手にできる旅行者を狙うよりも効率が良いのかもしれない。 



世界一周ケニア02
【きれいな衣装を着た民族と警官らしき人】

 

 

しかし、そのときに一つひっかかったことがあった。立場の強弱、道徳的な善悪、そのどちらについても合理的と思えたこの行動だが、日本でも同じように見られるのだろうか。基本的には大きく変わらないのかもしれないが、少し違ってくるような気がした。少なくとも今回のように100%ではないと思う。というのも、あくまで感覚的なものだが、日本では弱者に対する憐憫や強者への嫉妬から、ターゲットが(旅行者に)代わる可能性があるように思えるからだ。見方によってはこのような例がでることは高尚であり美しいのだが、論理的に考え身の安全を感じることができた今、イメージした日本がとても面倒に感じられた。ここで良い悪いについては触れないが、このときは「複雑」な日本社会が鬱陶しく思えてしまった。

 「日本に帰るの嫌だな。」

 

先進国では考えられないような手段で移動しながら、自然に近い感覚から理解しやすいやりとりを眺めているうちに、単純と言うよりもむしろ原始的と表現したほうが近いような感覚にとらわれていたように思う。

旅行中、ネガティブな感情とともにこのように考えることがたまにあるのだが、今日はそれを感じた。そのときによってきっかけが違うため今まで気づかなかったが、今回は極端に異なる状況におかれていたためか、ふと「複雑さ」がこれまでの日本社会へのネガティブな感情の共通の原因となっているような気がした。

 



世界一周ケニア03
【帆を張る鉄棒の上まで満員】

 

 

決して裕福ではないはずのエチオピア人がなけなしのお金を巻き上げられる。頼るあてもない異国の地に片道切符でやってきた不法入国者にとっては、仕事を見つけるまではこのお金こそが命の次に大切なものだろう。しかし、彼らは抵抗することなく淡々と素直にお金を差し出していた。

 

始めは意外に思ったが同じ光景は繰り返されるのを見ているうちにはっとした。それはそうだ、シンプルな強弱の論理は双方に通用するはずだ。それと同時に、もう一つ重要なことに気がついた。

自由は複雑なものの中にしか存在できないのかもしれない。帰国してからはシンプルに生きていこうという気持ちが強くなってきているが、それはあくまで自分の中の問題であって環境に求めてはいけない。シンプルな環境は個人から自由を奪う。

 

帰りたくないと思ったのもつかの間、やっぱり日本に帰りたいと思った。

 


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2009年2月24日のブログです

 200日目        
 宿泊:   ローリーの荷台(マルサビット)    
 移動:  9:30  /  モヤレ    
      ↓ ローリー(32時間)    
  翌日17:30 /  イシオロ    

 

「世界一周中、もっとも旅らしい旅をしたのどこ?」と聞かれたら、まず思い浮かぶのがここケニアでのローリーによる移動だ。ローリーと呼ばれているのは写真のトラックで、エチオピアとケニアの国境であるモヤレからケニアの首都ナイロビまでの区間を、様々な荷物を載せたローリーが数多く走っている。これが運転手の小遣い稼ぎのためか何なのか人も乗せており、ネタ的なおいしさもあってか東アジアを縦断する旅行者の間でも定番の移動手段となっている。この区間は一応バスも走っているのだが週2本と数が少ない(2009年2月当時)。また、このあたりは武装強盗が出没することでも知られており、比較的お金のある旅行者が集まるバスよりも荷物と一緒に積み込まれるローリーのほうがターゲットにされる危険性も低いだろうと考えたため、安全性も考慮した上でローリーを選ぶことにした。

 

モヤレからナイロビへ続く道のほとんどは未舗装の悪路であり、バスもローリーも頻繁にパンクすると聞いている。特にバスはパンクが多いらしく、ナイロビにたどり着くまでに4回も5回もパンクし、炎天下にそのつど数時間も立ち往生したなどという話も聞いた。アフリカではもはや常識の域に入るが座席もかなり狭く(定員オーバーのため)、バスといっても快適さはあまり期待できないようだ。


 

世界一周ケニア1 
【これがローリー】 

 

モヤレからナイロビまではノンストップでいけば20時間強の距離だが、実際はパンクや休憩に時間がとられるため30-60時間は見ておいたほうが良いらしい。道路灯などもあるわけがなく、大概のローリーは暗くなる頃に近くの村に寄りそこで夜を明かす。1泊か2泊か、はたまたそれ以上になるかは運次第である。中には夜通し走り続ける強者ドライバーもいるが、あのボコボコの狭い道を真っ暗闇でとばされるのは想像するだけで恐ろしい。宿をとらない場合、夜寝るのはバスなら座席、ローリーなら荷台になる。乗客の数や荷物の種類にもよるが、うまくいけば体を伸ばして寝られるかもしれないというのも、ローリーを選んだ理由の一つであった。

 

ついに国境越えの朝になった。国境のイミグレーションオフィスが開く8時に合わせ宿を出て、エチオピアからケニアへと入国した。ローリーの発着所は国境付近にあると聞いていたが、外に出ると大きなローリーが停まっているのが目に入ったためすぐにそれと分かった。旅行者と見るや大きな声をあげて手招きをする客引きもいたので、真っ直ぐにその方向へと進んだ。しかし歩きながら「あのローリーで本当に大丈夫なのか」とも考える。この期に及んでローリーを不安に思いバスと迷ったわけではない。あくまでローリーとローリーの比較である。ここに来るまでに集めた情報から移動はローリーと心に決めていたが、思うようなローリーがないようであればすぐには移動せず、1-2日くらいは待つことを覚悟していた。

 


世界一周ケニア2 
【砂埃を避けられるかもと期待し左のローリーに乗り込んだものの、より多くの乗客を乗せるためシートはすぐに外されてしまった(上にも人や荷物を乗せる)】

 

 

ローリーの荷台に乗る際には、この2点に注意しなければならない。一つは行き先。ナイロビまで行かないものもある。乗り換えの手間も省きたいし、その中継地にまともな宿を見つけられるかもわからない。なのでナイロビ行きかどうかは絶対に確認しなければならない。

もう一つはより重要だ。旅の友となる荷物が一体何なのか、これによって移動のハードさが大きく変わってくる。荷物を運ぶトラックと言っても、きれいな製品を運ぶ先進国のトラックを想像してはいけない。主な輸送品は穀物、家畜、食品等の原料である。この中で選ぶべきは穀物。家畜は臭うし動くのでもっての外、原料は基本的に粉体であり、ただでさえ砂埃まみれになる荷台がより埃っぽくなるのはかなり辛そうだ。数十時間シャワーを浴びずに移動するため汗でベトベトになるのだが、そこに埃や粉が何重にも張り付くことを想像してほしい。できればこれも避けたい。

穀物が良いと言うよりも消去法で穀物になる。「ナイロビ行きの穀物輸送トラック」、これが求めていたローリーのスペックであった。

 

まずはこれらを確認しようと客引きに近づく。するとこちらが喋る前にこんなことを言うではないか。「このローリーはいいぞ!快適だ!お前はついているぞ。」聞いてみるとこのローリーの荷物は「豆」だった。たしかに豆は良い。臭いも無く変な埃に悩まされる心配もない。穀物の中でも特に良さそうだ。袋の固さは少し気になったが、行き先もナイロビだと言うので即決した。

 


世界一周ケニア3 
【袋の中身は豆だった。後々、この固さが効いてきた。】

 

かくして、予定通りローリーでナイロビへと向かうこととなった。結果から言うと、このローリーはパンクは1回、宿泊も1泊のみ、乗客もさほど多くない(と言っても身動きできないくらい人が乗る)という当たりの部類に入るローリーであった。ナイロビまで行くというのが嘘で手前のイシオロまでしか行かなかったのは残念だったが、今考えてみると、疲れてボロボロになった状態ではなく、一度休んでリフレッシュしてから治安の悪いナイロビに入れたのは良かったのかもしれない。

 

ローリーの旅がどんなものだったかは、次の日記で書く予定。

それでは行ってきます。

 

世界一周ケニア4
【まだ乗客は多くない。このまま増えなければこんな快適な乗り物はなかったのだけど・・。】


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